『乱反射（社会人編）乱気流⑧』☆ゆのじぇじゅん創作小説☆

あんにょん

お待たせいたしました

本日のゆのじぇじゅん創作小説は

『乱反射』の続きです

前回のお話はこちらからお願いいたします

『乱反射（社会人編）乱気流⑦』 ☆ゆのじぇじゅん創作小説☆

『 乱反射（社会人編） 乱気流⑧ 』　☆ゆのじぇじゅん創作小説☆

俺は自分の部屋の玄関の前に立つと

さらにどきどきが高鳴り緊張した。

手が震えないように神経を集中させて

扉の鍵を開ける。

この扉を開けたら

俺たちふたりの関係が変わってしまいそうで・・・

今夜のユノからは

今までの自分たちの関係を変えたいんだと・・・ひしひしと伝わって来る。

扉の鍵を開けたら、

もう部屋の中に入るしかなくて・・・

ふたりで部屋に入り・・・

俺は緊張で喉の渇きを感じていた。

「なにか、飲むか？」

ユノに声をかけて

なるべくユノのそばに居ないようにとそんな気持ちもあって

部屋の中へ入るとすぐさまキッチンへ向かった。

俺が冷蔵庫の中からミネラルウォーターを2本出そうとすると

「俺はいらないぞ」

いきなり真後ろからユノの声がして

体がびくりとした。

「なにを・・・そんなにびっくりしてる？」

俺の体がびくっと震えた事をすかさず指摘して来るユノ。

「いきなり 真後ろから声がしたら

誰だって驚くだろ？」

「・・・・・・・ひとりきりで居る部屋で　声が聞こえたら驚くけどな（笑）」

ユノの声が耳のすぐ近くで響く・・・・

まるでわざとでもあるかのように吐息がかかるほど近くに居る・・・・。

この場をすぐに離れたくて

俺は冷蔵庫から1本だけミネラルウォーターを取り出し、

ユノの脇を通りながら

「着替えるだろ？いま着替え持って来る」とユノから離れようとした。

俺の部屋にユノが泊まることはしょっちゅうの事だったので

ユノの着替えは常備してあった。

ユノから離れようとした瞬間

すれ違いざまの俺の手首を突然ユノが握った。

心臓が止まるかと思うほどドキリとする。

「今夜はリビングのソファーで寝る。

悪いが毛布と枕　貸してくれ。」

ユノの口から出たのは思いがけない言葉だった。

今まで泊まった時

1度たりともソファーでなんて眠ったことがない。

俺の寝室のベッドは大きさが充分にあるので

いつもふたりでベッドで眠っていた。

俺はユノの口から出た言葉にユノの真意が計れず

ユノの顔をほんの少しの間じっと見てしまった。

「そうか、じゃぁ着替えと一緒に持って来る。」

俺は寝室へユノの着替えと寝具を取りに行った。

寝室に入り、後ろ手で扉を閉めると

急に体の力が抜けた。

なに ひとりで・・・・こんなに緊張してんだ・・・。

ユノが 自分に何かするんじゃないかと

勘違いして勝手に緊張してんの俺の方じゃないか。

俺はクローゼットからユノの着替えを取り出し、

寝具を用意して・・・・

用意しながら・・・・

今まで離れて眠ったことなんてないのに・・・・

何なんだ、今日のユノ。わけわかんねぇや

・・・・・・・なに考えてるんだろう・・・・・・と

少し寂しく思っている自分も居た・・・。

ユノと逢う久しぶりの今夜、

ユノの寝息を聞きながら眠れることを当たり前と思っていた、・・・

それはユノの方から　あっさりと覆された。

ふたりの関係をなにか変えたいわけではなく

ただいつもどおりユノの隣で眠れればそれで良いと心の中で思っていた。

変に緊張をしていた自分に笑いがこみ上げる。

今夜一緒に居られない少しの寂しさを感じながら自嘲した。

俺はユノの着替えや寝具を持って

ユノの居るリビングへ再び戻った。

『乱反射（社会人編）乱気流⑧』

jjyukihito

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